2016.11.02 千葉日報 社会 (全1,010字) 

 千葉県干潟土地改良区(旭市鎌数、斉藤勝昭理事長職務執行者)で巨額の使途不明金が判明し、男性事務局長(57)=停職中=が長年にわたる着服を認めたとされる問題で、同改良区は1日、同市内で記者会見を開き、事務局長が2010年8月から今年2月までの間に計3360万円を着服したとして業務上横領容疑で県警に刑事告訴したと発表した。商品先物取引で出した損を穴埋めするためで、横領総額は約8億円に上るという。改良区は今後、損害賠償請求訴訟を提起し返還を求める方針。斉藤理事長職務執行者は「組合員に多大なるご迷惑とご心配をお掛けした」とあらためて謝罪した。

 同改良区によると、事務局長は1996年に経理課長となり、会計課長や総務課長を歴任。通帳などは基本的に1人で管理していたという。

 98年ごろから商品先物取引を自己資金で始めたが、持ちこたえられなくなり、翌年ごろ同改良区の一般会計の預金から800万円ほど横領し流用。その後、地域組織の万力支区からの預かり金(約1億9千万円)などを着服してきた。事務局長は先物取引先の会社に損害賠償請求訴訟を起こし、2013年に和解金約1億円のうち6500万円を穴埋めしていたほか、改良区の予算・決算を粉飾していたという。

 万力支区の新役員が昨年11月ごろ、定期預金の管理状況を確認したいと申し出たのがきっかけで発覚。事務局長は今春には横領を認め、総額が7億円強に上ると説明していた。国と県は今年5月に合同調査を行い、3月末現在の使途不明金を8億8千万円と算出。その後、同改良区側が15年度決算の修正仕分けを行い、預金残高の不足額から最終的な使途不明金は7億8300万円に上ると判明した。

 同改良区は使途不明金のうち、時効分などを除き、10年8月から今年2月までの11件・計3360万円を横領したとして業務上横領容疑で事務局長を県警に刑事告訴。10月28日付で受理されている。県警は1日までに、改良区が提出していた業務上横領容疑の告訴状に関し、一部の容疑について捜査を始めた。

 事務局長は停職中で、同改良区側は今後処分を検討する。また、損害賠償訴訟も提起する考え。今後返済が必要な有利子負債は約4億3千万円あり、「財政状況は危機的」としている。斉藤理事長職務執行者は「事務局長の横領行為は誠に残念。組合員に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしたことを、深くおわび申し上げる」などと、あらためて謝罪した。

千葉日報社

 

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