胆沢平野土地改良区の長期計画運営方針である「地域農業の創造」には、経営力向上に伴った、地域農業を創造する担い手育成支援の充実が必要不可欠です。その支援の一つとして、IACS農業経営セミナーを実施しております。(IACSとは:胆沢平野版農業クラウドシステムの略称 Isawaheiya Agricultural Cloud System )

 7回目である今回は、ほ場整備事業の必須要件である「高収益作物」として、18地区で取組む計画である「露地ピーマン」に関する現地研修会を7月30日に開催しました。

 集落営農組織が法人化し、高収益作物に取組むには、「時給雇用による労働力の確保」や「法人設立直後で、内部留保金がない中での設備投資」など、家族経営とは違い、集落で協議して進めていく難しさがあります。

 研修講師の農事組合法人佐倉河営農組合(令和元年設立)熊谷組合長からは、設備投資で意見が食い違って話し合いをしたこと、作業者が集まらず広報を月に1回発行し募集をかけていること、時給を上げたこと、など課題と取組み内容を具体的に話していただきました。

 また、講師として岩手ふるさと農協園芸課の方に、実際にかかる初期費用や日本一のピーマン生産地を目指す生産拡大支援体制を教えていただきました。

 当日は、ほ場整備事業各地区の委員会や営農組合、28歳32歳の若手農家も含め、11経営体34名の参加があり、今後の営農を見据えてメモを取りながら熱心に聞いておられました。

 参加者からは10aあたりの作業人数や設備投資の補助金、一週間に何時間働くのかなど、予定していた時間を超えるほどの質問があり、関心の高さがうかがわれました。

 また、「実際圃場を見ると、法人の努力がわかって大変勉強になった。」や、「ピーマンは設備投資や人手の確保が難しいと考えていたが、実際体験者の話を聞くとハードルがぐっと下がり、まず農協に相談して始めてみようと思った。」と感想をいただくなど、高収益作物導入に当たっての検討材料として、充実した圃場研修会となりました。

                                                  (胆沢平野土地改良区 胆沢平野版農業クラウド推進係 課長補佐 髙橋優恵 主事 伊藤早織 作成)

 

【農事組合法人佐倉河営農組合 熊谷組合長】

【研修会を企画した胆沢平野版農業クラウド推進係】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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