本会は8月27日(火)、28日(水)ホテル紫苑において、令和6年度水土里ネット職員研修会を開催し、土地改良区職員32名が受講しました。

 本研修会は、土地改良区運営の強化並びに職員の資質向上を図ることを目的とし、土地改良法改正に向けた検討状況や、農家負担金軽減支援対策事業、賦課金未納者への対応等について講演がなされました。

 開会に当たり、水土里ネットいわての千葉匡 専務理事が「本研修会では、土地改良をめぐる情勢等を踏まえ土地改良区職員の皆様のスキルアップを図り土地改良区運営強化に資することを目的としている。最近の情勢として、土地改良法の改正、人口減少に伴う担い手不足問題、スマート農業の普及、気象災害などがあるが、このような観点を踏まえ今回は7名の講師の方々から講演いただく。この研修が皆さんの業務に役立つことを祈念する。」と挨拶しました。

 初日の研修では、岩手県農林水産部農村計画課の黒田裕一 企画調査課長が『土地改良法の改正に向けた検討状況』と題して、土地改良法の改正に向けたこれまでの経緯や、改正の論点として①防災・減災、国土強靭化、②農業生産基盤の保全管理、③農業生産の基盤の保全管理、④農業生産の基盤の保全管理、⑤スマート農業や需要に応じた生産に対応した基盤整備の5点について現状の課題と今後の方向性等について説明しました。

 続いて、岩手県農林水産部農村計画課の岩渕 淳哉 団体指導・国営担当課長が『土地改良区施設更新積立計画について』と題して、施設更新の計画的な対策の必要性や対策の立て方、計画策定の効果等について説明し、積立計画の事例について紹介しました。

 次に、照井土地改良区の遠藤圭二郎 工務課長兼換地課長が、『若手農業者と歩む一関遊水地のスマート農業について』と題して、一関遊水地の大区画ほ場を活かしたスマート農業についてや、若手農業組織の活動について説明しました。

 次に、全国土地改良事業団体連合会管理システム研究部の阿部司 参与が、『農家負担金軽減支援対策事業の概要について』と題して、農家負担金軽減支援対策事業の中でも、新規採択可能な事業である、水田・畑作経営所得安定対策等支援事業、農地有効利用推進支援事業、災害被災地域土地改良負担金償還助成事業の概要について説明しました。

 翌日の研修では、全国土地改良事業団体連合会の市村和寿 支援部長が『賦課金未納者への対応について~未納者への滞納解消に向けた進め方~』と題して、賦課金の消滅時効や滞納処分の手続等について説明し、未納解消のための取組事例について紹介しました。

 続いて、本会の菅野章 参与が、『相続登記の義務化と新しい財産管理制度等について』と題して、相続で取得した土地を国が引き取る相続土地国庫帰属法の概要や、地域計画(人・農地プラン)における土地改良区の役割について説明し、県内の地域計画策定の進捗状況について紹介しました。

 最後に、全国水土里ネット会長会議顧問の宮崎雅夫 参議院議員が、『食料・農業・農村基本法の改正と今後の土地改良』と題して、食料・農業・農村基本法の改正に至った背景や改正内容並びに土地改良予算の状況や予算編成の流れについて説明しました。

 参加者からは、「土地改良法の改正に向けた検討状況の説明では、検討会の資料もあり、方向性を理解することができた。」「賦課金未納者への対応について、滞納処分の手順や意義が分かりやすく参考になった。」などの感想が寄せられました。

 この研修会で学んだ事が土地改良区内で共有され、土地改良に関わる法律や事業制度の理解が進み、今後の土地改良区の運営の一助となることを期待します。

 本会では、土地改良区職員の資質向上に向けて今後も引き続き研修会を開催してまいります。

 

 

【挨拶する千葉専務理事】

【講演をする黒田企画調査課長】

【研修会場の様子】

【講演をする岩渕団体指導・国営担当課長】

【講演をする遠藤課長】

【講演をする阿部参与】

【講演をする市村支援部長】

【講演をする菅野参与】

【講演をする宮崎議員】

【集合写真】

 

 

 

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