11 月 14 日、岩手県多面的機能支払推進協議会は矢巾町「田園ホール」において、「いわて農業・農村多面的機能シンポジウム」を開催し、多面的機能支払交付金に取り組む活動組織の他、県、市町村、土地改良区等の関係者約 540 名が参加しました。
開催にあたり、千葉匡協議会会長が「多面的機能支払交付金制度については、昨年度の実績では1,048 の活動組織に 82,401 人が参加し、約77,000ha の農地が対象となりました。この制度の前身である農地・水保全管理支払交付金制度が平成19 年度に始まった際は約 41,000ha だったため、現在はそれに比べて倍近くの面積で取り組まれています。しかしながら、活動組織の構成員の減少や高齢化などにより、事務作業や共同活動の負担感や後継者不足等の理由から活動の低迷や組織の解散といった事案が懸念されています。今日のシンポジウムが皆様の活動に少しでも役立つことを祈念します。」と挨拶しました。
次に、岩手県農林水産部長の代理として出席した今泉元伸農村整備担当技監が「農村地域では人口減少や高齢化が進んでおり、農地や水源の保全、食料供給の安定、地域コミュニティの維持がますます重要になっています。そのため、県はいわて県民計画 2019~2028 に基づき、多様な主体の参加を促し、地域資源の保全を進めています。多面的機能支払制度を活用した地域共同活動は、平成 26 年度から着実に拡大し、現在では 1,000 を超える活動組織が約 77,000haの農用地で活動しています。県は市町村等と連携し、これらの活動のさらなる拡大と充実を支援していきます。」と祝辞を述べました。
続いて、講演を予定していた全国水土里ネット多面的機能支払推進協議会顧問の宮崎雅夫参議院議員が、特別国会の日程が急遽入り欠席となったため、議員から寄せられたビデオメッセージが上映されました。
最初の講演では、農林水産省農村振興局整備部農地資源課 多面的機能支払推進室長 村瀬 勝洋 氏が「多面的機能支払交付金の第3期対策(R7~R11)について」と題して、現在国で検討が進められている多面的機能支払交付金の第3期対策に係る制度改正の内容等の最新動向について情報提供しました。
続いての講演では、「岩手県における農村 RMO の取り組みについて~多様な主体で作る農業×農村のススメ~」と題して、いわて地域づくり支援センター常務理事 若菜千穂 氏が、農村 RMO 制度の概要や本県取組み地区の活動状況などについて講演しました。
最後の講演では、群馬県中之条町の美野原広域協定事務局(美野原土地改良区事務局長)の冨沢邦義氏が、「多面的機能支払交付金を活用した吾妻中央高校の生徒と連携した農村を守る活動」と題し、高校生と連携した水路補修、更新の取り組みや、高校生による水路図の作成、高校生との活動をきっかけに大学や建設業と連携の拡がった事などについて講演しました。
次に、休憩をはさんで行われた「農業・農村を維持していくために~組織の広域化や多様な団体との連携等により地域を守る~」と題したパネルディスカッションでは、村瀬室長をコーディネーターに、パネラーには講師の若菜氏と冨沢氏の両氏に加え安代地域多面的機能保全組織の立花真一氏と紫波町水分上地区環境保全活動組織の熊谷靖弘氏が参加して広域組織となった経緯や現在の取り組み状況、広域組織のメリット等を説明しました。
参加者は、「活動を継続していくヒントを得た」「農村 RMO に取り組みたい」等の感想を述べていました。

【主催者挨拶をする千葉匡会長】

【来賓祝辞をする今泉元伸農村整備担当技監】

【宮崎雅夫全国協議会顧問の ビデオメッセージ】

【講演する村瀬室長】

【講演する若菜常務理事】

【講演する冨沢事務局長】

【パネルディスカッションの様子】

【会場の様子】
【岩手県多面的機能支払推進協議会作成】
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