2月4日から5日にかけて、花巻温泉ホテル千秋閣において県内土地改良区役職員約250名の出席のもと、『令和6年度水土里ネット役員研修会』を開催しました。
開会にあたり、主催者を代表して本会髙橋隆会長が、「本研修会は、土地改良区の組織運営の改善及び適正な財政計画の樹立と土地改良区の管理運営基盤の強化に資することを目的に開催している。本研修での学びが各土地改良区の諸課題解決に役立つことを期待する。本会としても、今後とも県内の土地改良事業の推進に努めていく。」と挨拶しました。
次に、来賓挨拶として、岩手県農林水産部の今泉元伸 農村整備担当技監が、「県では、いわて県民計画(2019~2028)第2期アクションプランに基づき、生産コストの低減や汎用化に向けたほ場整備の推進、農業用水の安定供給に向けた水路の長寿命化、土地改良区の運営基盤強化への支援とともに、DXなど革新的な技術の開発・導入等による収益力の高い食料供給基地づくりなどに取り組んでいる。令和7年度予算が本県に十分に配分されるとともに、土地改良法の改正にあたっては地域の声が十分に反映されるよう国に対し要請していくほか、引き続き計画的かつ効率的な事業執行に取り組んでいく。」と農林水産部長の挨拶を代読しました。
初日の研修では、今泉農村整備担当技監が『いわての農業農村整備の取組状況』と題して、本県の農業農村の現状や「いわて農業農村整備の展開方向」の4つの重点施策について講演しました。
続いて、株式会社日本総合研究所 藻谷浩介 調査部首席研究員が『農業の4つの伸びしろをどう活かすか?』と題して、日本の農業や農村の現況について世界各国と比較し説明したほか、農業が成長産業である4つの理由やこれからの日本の農業について講演しました。
次に、公立大学法人宮城大学 副学長・食産業学群 三石誠司 教授 が、『食料・農業・農村:変化とその将来を考える』と題して、日本の食生活の変化や食料の生産量と貿易量の推移を説明し、現状を踏まえ今後どのように農業政策を進めたら良いかについて講演しました。
次に、都道府県土地改良事業団体連合会会長会議顧問 宮崎雅夫 参議院議員が『農業農村整備事業を取り巻く情勢について』と題して、土地改良予算の推移及び来年度予算について並びに食料・農業・農村基本法及び土地改良法の見直し内容について講演しました。
翌日の研修では、全国土地改良事業団体連合会の市村和寿 支援部長が『賦課金未納者への対応について~未納者への滞納解消に向けた進め方~』と題して、賦課金未納や所有者不明農地への対応や、不能欠損処理について講演しました。
次に、株式会社ジーアンドエスの萩原扶未子 代表取締役社長 が『男性中心の組織における女性活躍の促進方法』と題して、性別で異なる価値観や物事の捉え方、身体の違いについて説明し、それらを理解した上で求められる女性活躍について講演しました。
最後に、都道府県土地改良事業団体連合会会長会議顧問の進藤金日子 参議院議員が『食料・農業・農村基本計画と土地改良の展開方向について』と題して、食料・農業・農村基本計画について説明した他、米類の需要推移や来年度以降の水田政策の見直しについて講演しました。
出席者からは、「『農業の4つの伸びしろをどう活かすか?』の講演を通じ、現実、真実を見抜く大切さとそれを把握したうえでの取組の重要さが分かった。」「『食料・農業・農村:変化とその将来を考える』の講演では、将来性が乏しいと思っていた農業も、工夫次第であり、考えを柔軟に持つことが大切だと学んだ。」「『男性中心の組織における女性活躍の促進方法』の講演では、男女それぞれの性差について大変共感できた。今まで農業は男性社会だったので、女性リーダーの育成が今後必要だと思った。」など多くの感想が寄せられました。
本研修会により、これからの農業政策や男女共同参画への理解が深まるとともに、今後の土地改良区の運営の一助になることを期待します。
今後も土地改良区の管理運営基盤の強化に向け、引き続き研修会を開催してまいります。

【主催者挨拶をする髙橋隆会長】

【来賓挨拶をする今泉元伸農村整備担当技監】

【講演する藻谷首席研究員】

【講演する三石教授】

【講演する宮崎議員】

【講演する市村部長】

【講演する萩原代表取締役社長】

【リモートで講演する進藤議員】

【研修会場の様子】
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https://www.iwatochi.com/main/06/osirase/osirase1185.pdf