岩手県ため池サポートセンターでは、令和7年7月30日(水)に金ケ崎町北部地区生涯教育センター及び赤石ため池において、ため池転落事故防止に向けた研修会を開催し、市町村、土地改良区等から約60名が参加しました。

 研修に先立ち、主催者である岩手県農林水産部農村建設課の川崎良明特命課長が「ため池は地震や豪雨の際に災害のリスクが伴うため、適切な管理が非常に重要で、その管理作業を何よりも安全に行うことが大切です。今回の研修を通じて、農業水利施設における水難事故の現状や事故防止に向けた安全対策について理解を深め、今後の活動に役立てていただきたい」と挨拶しました。

 研修の前半は、(一社)水難学会の斎藤秀俊理事(長岡技術科学大学大学院教授)から「農業水利水難事故の現状とそれを防止するための安全対策」と題して講義をいただき「産業別の就業者10万人当りの死亡者数では農作業が圧倒的に多く、その中でもため池を含む農業水利施設での死亡事故が約6割を占めており、草刈り作業時が最も多い」という説明があり、参加者はため池での草刈り作業がいかに危険であるかということを再認識していました。

 その後、赤石ため池に移動し、実演研修が行われ、水難学会の安部淳理事と大友正明理事が講師となり、ため池での転落事故を想定し、講師自らが水中に入り、這い上がりの難しさや転落時の対応、救助方法のポイントを実演されました。実演後は活発な質疑応答が交わされ、参加者のため池の安全対策や転落時の対処方法への関心の高さがうかがわれました。

 岩手県ため池サポートセンターでは引き続き、ため池の危険性について周知を図るとともに、転落事故ゼロに向けた啓発活動等に取り組んで参ります。

 

 

【農村建設課 川崎良明特命課長】

【水難学会 斎藤秀俊理事】

【水難学会 安部淳理事(左)  大友正明理事(右)】

 

 

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