本会は8月26日(火)、27日(水)盛岡市繋「ホテル大観」において、土地改良区運営の強化並びに職員の資質向上を図ることを目的として、令和7年度水土里ネット職員研修会を開催しました。本研修会には、土地改良区職員37名が受講。改正土地改良法と水土里ビジョンについてや、ハラスメント対策、賦課金滞納処分手続き等について講演がなされました。

 開会に当たり、本会の菅野章 参与が「食料・農業・農村基本法が改正され、土地改良区の役割がますます明確化されたことで、土地改良区の果たしていく役割がより高くなっていくと思う。今回の研修では、水土里ビジョンをはじめ多岐にわたって講義いただく。この研修が皆さんのこれからの業務実施の一助となることを祈念する。」と挨拶しました。

 初日の研修では、岩手県農林水産部農村計画課の鹿糠幸治 団体指導・国営担当課長が『改正土地改良法と水土里ビジョンについて』と題して、土地改良法の改正の背景や主なポイントを説明したあと、水土里ビジョンの策定の流れや水土里ビジョンに関連した支援策について説明しました。

 続いて、『農業農村整備におけるコスト縮減とGXの推進について』と題して、岩手県農林水産部農村計画課の村松美和 主任主査が整備コストの現状分析やコスト縮減対策等について説明しました。また、同課の青山滋伸 主任主査が再生可能エネルギーに対する取組などについて説明しました。

 次に、株式会社ジーアンドエスの萩原扶未子  代表取締役社長が『ハラスメントゼロへ!心理的安全性を高める「リスペクト(尊重)の文化・コミュニケーション」』と題して、パワハラ・セクハラ・マタハラ・モラハラの4つのハラスメントについて、具体的な事例を交えながら説明をしました。また、コーチングとティーチングの違いを通じて、相手の立場に立って伝えることの重要性についても説明しました。

 都道府県土地改良事業団体連合会会長会議顧問の進藤金日子 参議院議員はリモートで『食料・農業・農村基本計画、改正土地改良法と米を取り巻く状況について』と題して、新たな食料・農業・農村基本計画の主なポイントや、改正土地改良法の概要について、昨年来の米価高騰の要因やこれまでの対応の検証、今後の方向性についてを説明しました。

 2日目は、全国土地改良事業団体連合会の阿部司 参与が『農家負担金軽減支援対策事業について』と題して、令和7年度からの新規事業である「地域生産基盤保全強化支援事業」の概要を述べた後、詳しい採択要件や手続きの流れについて説明しました。

 続いて、岩手県農林水産部農村計画課の谷口愛 主査が『土地改良区の不祥事事例と再発防止について』と題して、実際の不祥事事例をもとに問題点やそれに伴う影響について説明しました。その後、土地改良区の存在意義に立ち返りながら、再発防止に向けた取り組みや考え方について説明しました。

 次に、本会の菅野章 参与が『農業農村整備を巡る状況について』と題して、食料・農業・農村基本法の改正に至った背景や改正内容について説明しまし、水土里ビジョンと地域計画の関係性、並びに県内における地域計画策定の進捗状況についても説明しました。

 最後に、全国土地改良事業団体連合会の市村和寿 常務理事が『賦課金滞納処分手続きについて』と題して、賦課金の消滅時効の説明をした後、滞納処分に関する具体的な手続きの流れや、それに伴う事務手続き等について詳しく説明しました。

 参加者からは、「水土里ビジョンについてより深く理解することができてよかった。今後のビジョン作成に役立てていきたい。」「ハラスメントについて、相手のことを考えて発言や行動をしていきたい。」「賦課金の未納者への対応について詳しく知ることができた。」などの感想が寄せられました。

 この研修会で学んだ事が土地改良区内で共有され、土地改良に関わる法律や事業制度の理解が進み、今後の業務運営の一助になることを期待します。

 本会では、土地改良区職員に対し、今後も引き続き研修会を開催してまいります。

 

【講演をする鹿糠団体指導・国営担当課長】

【講演をする村松主任主査(左)と青山主任主査(右)】

【講演をする萩原代表取締役社長】

【リモートで講義する進藤議員】

【講演をする阿部参与】

【講演をする谷口主査】

【講義をする菅野参与】

【講演をする市村常務理事】

【研修会場の様子

 

 

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