11月20日本会では、令和7年度土地改良区機能強化支援事業技術実践向上研修を開催しました。
この研修会は、農業・農村整備事業に携わる市町村、土地改良区等の職員の技術力向上を目的に、開催しているもので今年度は約40名が受講しました。
開催に先立ち本会千葉匡専務理事が、「ほ場整備の加速化や、老朽化が進む農業水利施設の計画的な補修・更新など直面する大きな課題を乗り越えるためには、私ども農業農村整備に携わる職員が、普段から個々の技術力を磨き取り組んでいくことが必要である。デジタル技術の活用、スマート農業の展開、生態系の保全や災害に強い農業水利施設の維持管理などの技術向上が、土地改良に携わる者に課されている使命だと考えている。岩手土地連は今後も会員である改良区や市町村の皆様の技術向上に向け尽力していく。」と挨拶しました。
研修会では、まず初めに、岩手県農林水産部農村計画課黒田裕一企画調査課長が、「農業農村整備事業を取り巻く最近の動向について」と題し、農林水産省の令和8年度農業農村整備事業関係予算の概算要求と政策課題についてと、近年の岩手県の農業農村整備予算の推移と農政の取組状況について、事例紹介も踏まえ講義しました。
次に、岩手県県土整備部都市計画課の小澤豊和特命課長と吉田祐介主任主査が、「宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)法改正の概要・背景について」と題し、盛土による災害防止を目的に改正された「盛土規制法」の概要と規制の内容、手続きについてと、「いわて盛土情報システム」を活用した区域確認や相談等が可能であることを講義しました。
続いて、本会水土里情報推進課の山澤悟課長が「ドローンと水土里情報システムの融合による農業農村デジタルツインの構築」と題して、本会が提案する「農業農村デジタルツイン」構築に関し「農地の3次元データ」と「水土里情報システム」を融合させたデジタル仮想空間上で、農地や農業水利施設を一元管理・可視化し、IoTとの連携による水管理の自動化、植生解析による生育状況の把握、法面計測による草刈り作業量・作業時間・費用の推定などを例にして紹介しました。これにより大幅な省力化と生産性向上を目指す持続可能な農業実現のための構想ツールとしての役割が期待されることを講義しました。
最後に、㈱Polyuseの大岡航代表取締役から「建設用3Dプリンタの最前線、社会実装を積み重ねた先に見えた新常識」と題し、WEBによる講義を行いました。同社が展開している建設用3Dプリンタ開発の背景と経緯、各地建設現場での導入事例を動画を交えて紹介するとともに、今後の展開について講義しました。
各講義内容は、現在農業農村整備において直面している課題解決のための有効な手段であり、受講者は興味深く耳を傾けていました。

千葉専務理事

岩手県農林水産部農村計画課黒田課長

岩手県県土整備部都市計画課 小澤特命課長(左)吉田主任主査(右)

本会水土里情報推進課山澤課長

㈱Polyuse大岡代表取締役

講義の様子
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https://www.iwatochi.com/main/06/osirase/osirase1224-1.pdf