胆沢平野土地改良区では長期計画運営方針の一つである「土地改良資産を活用した農村振興」として、令和元年度から水土里の皆廊(かいろう)に取り組んでおります。

 令和3年度から水土里の皆廊は全7施設で構成しており、その一つである水利歴史遺産「葦名堰」は、伊達政宗公の家臣であった葦名盛信公が現在の奥州市胆沢小山二ノ台地域の新田開発を行うため、元和四年(1618)から開鑿を始め、五代にわたり50有余年の歳月をかけて完成させました。

 衣川増沢の北股川上流に位置する取水口から胆沢小山二ノ台の湧出口まで総延長24.1kmに及び、地形を利用して穴堰と平堰を交互に配置するなど、まさに当時の土木技術を結集した水路です。

 10月24日(日)、開鑿時に土砂の搬出口として使用された斜坑内に、麻ひもを用いた灯火を再現し、先人の想いを感じていただく企画として地元有志で組織された葦名堰史跡保存会の協賛をいただきイベントを開催しました。

 さわやかな秋空の下、市内外の参加者、地元保存会の方々を含め総勢52名で賑わいました。

 参加者からは、「地元に先人の偉業の跡を見ることができる場所があるとは知らなかった」、「昔の人の工夫や苦労が感じられ興味深く、今の農業が成り立つまでの歴史を考えながら歩いた」、「次回もぜひ参加したい」などの意見が聞かれ、胆沢平野に遺された水利歴史遺産「葦名堰」をより多くの方に知っていただく大変良い機会となり、日頃から保全管理に尽力する葦名堰史跡保存会の方々にとっても大きな励みになりました。

 参加者の反応からイベントの好評さがうかがえ、来年度の開催についても検討を進めてまいります。

                                                                                  (胆沢平野土地改良区作成)

 

【葦名堰の説明を行う保存会若槻会長】

【興味津々と斜坑内へ進む参加者】

【開鑿当時の灯火を再現した斜坑内部】

【人力で削られた内壁に感激する参加者】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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