東北・北海道土地改良事業団体連合会連絡協議会(会長:伊藤康志 宮城県土連会長)は、6月5日に農林水産省、6月6日に財務省及び復興庁に対し、「農業農村整備関係予算の確保並びに東日本大震災からの再生・復興に関する要請」として要請活動を行いました。

 今回の要請活動では、「農業農村整備関連当初予算の確保」や、「土地改良法改正に伴う土地改良区組織運営の適正化に向けた支援」、「多面的機能支払制度の推進と予算の確保」、「農業用ため池の管理及び保全に係る支援」について要請するとともに、東日本大震災からの再生・復興に関連し「農地・農業用施設の復旧・整備に必要な財政支援措置の継続」についても要請しました。(添付の要請書参照)

 農林水産省では、吉川 貴盛 農林水産大臣へ要請を行い、吉川大臣からは「当初予算と補正予算を有効に活用して事業進捗を図り、農地の大区画化等を進めてもらいたい」とのコメントを頂きました。

 復興庁では、渡辺 博道 復興大臣へ要請を行い、渡辺大臣からは「復興・創生期間を終える来年度以降の財政支援措置の継続や組織体制等について今年3月に見直された「東日本大震災からの復興方針」に沿って検討を行い、年内には方向性を示したい。」とのコメントを頂きました。

 財務省では、寺岡 光博 主計官と伊万里 全生 主査に面会し、「農業農村整備事業の重要性について認識している。現場の声を農林水産省に上げていただき、この現場の声を踏まえて、厳しい予算状況であるが、有効な予算を編成していきたい。」との話がありました。

【吉川大臣(中央左)への要請の状況。進藤参議院議員(中央右)も同席】

【渡辺大臣(中央)に要請書を手渡す伊藤会長(右から3人目)】

【財務省主計局 伊万里農林水産第4係主査(右)への要請の状況】

 

 

 

 

 

 

 

 

要 請 書

 平素から、東北・北海道の農業農村整備事業の推進、東日本大震災からの復興につきまして、格別のご配慮を賜り厚くお礼申し上げます。

 また、農林水産省におかれましては、東北・北海道をはじめとする生産現場の切実な要望を踏まえ、平成30年度補正予算と平成31年度当初予算を合わせて6,451億円の土地改良予算を確保していただき、厚くお礼申し上げます。

 現在、農業・農村では、本格的な人口減少社会の到来によって、過疎化や高齢化、担い手不足等による農地の荒廃が進み、農地・農業水利施設の管理や営農の継続が困難になってきており、今後更に進んでいくことが想定されます。

 農業を次世代の担い手にとって魅力ある産業としていくためには、儲かる農業を目指した高収益作物の導入推進や低コスト化、農地の集積、大区画化、汎用化等の農地整備、将来を見越した適時適切な農業水利施設等の維持補修・更新が必要となっています。加えて、ため池を含む農業水利施設等の老朽化が進む中、大規模地震の発生や、気候変動による豪雨災害が多発しており、国民の生命と財産を守るためにも、ため池等の耐震化や洪水被害防止対策などの農村地域の防災・減災対策の推進が重要な課題となっています。

 さらに、東日本大震災や豪雨災害の被災地の農業再生に向けて、引き続き、復旧・復興事業を着実に進めていく必要があります。

 こうした状況の下、我が国最大の食料供給基地である東北・北海道の農業農村の持続的な発展を万全なものとするためには、被災地の早期復興はもとより、改正土地改良法の趣旨を踏まえながら新たな農業政策の実現に向け、それぞれの地域特性に合った、高い農業生産力を十分に発揮出来る条件を整えることが必要不可欠であると考えます。

 つきましては、農業農村整備事業の安定的かつ計画的な実施のため、予算の確保、諸施策の推進、東日本大震災からの再生・復興に関し、次のとおり要請いたします。

 

《農業農村整備関係》

 1.新たな農業政策の実現に向け、地域の要望に十分応えられる安定した農業農村整備関連当初予算の確保について(財務省・農林水産省)

   農業競争力の強化のため、農地の大区画化や水田の畑地化・汎用化、農用地集積の加速化、水利施設の更新・長寿命化など地域の要望に十分応えられる予算額を、令和2年度当初予算で確保するよう強く要望する。

 2. 改正土地改良法の趣旨を踏まえ、土地改良区組織運営の適正化に向けた支援について(農林水産省)

   改正土地改良法の適切な実施を図るため、その普及啓発に努めるとともに、土地改良区や組合員の声に真摯に耳を傾け、土地改良区の運営基盤の強化に対する支援を要望する。

 3.農業・農村の有する多面的機能の適切な発揮に向けた、多面的機能支払制度の推進と予算の確保について(財務省・農林水産省)

   水土里ネットでは、地域の合意形成や共同管理を通じて「農村協働力」を強化し、農村の地域資源を支えてきた。   

   農業・農村の有する多面的機能が今後とも適切に発揮されるよう、地域の要望に十分応える予算の確保を要望する。

 4.農業用ため池の管理及び保全に係る支援について(財務省・農林水産省)

   「農業用ため池の管理及び保全に関する法律」の施行に際しては、市町村、土地改良区の管理体制等を十分に考慮するなど、現場の実態をよく踏まえるとともに、必要となる財政的支援等を講ずるよう要望する。

《東日本大震災関係》

1.農地・農業用施設の復旧・復興整備に必要な特例的財政支援措置の継続について (復興庁・財務省・農林水産省)

  農地・農業用施設に係る復旧・復興事業については、復興・創生期間後も事業が完了するまで、特例的な財政支援措置を継続するよう要望する。

 

東北・北海道土地改良事業団体連合会連絡協議会

 

会 長   伊 藤  康 志

         (宮城県土地改良事業団体連合会 会長)

 

副会長   尾 田  則 幸

        (北海道土地改良事業団体連合会 会長理事)

 

副会長   髙 貝  久 遠

      (秋田県土地改良事業団体連合会 会長)

 

監 事   佐 貝  全 健                  

        (山形県土地改良事業団体連合会 会長理事)

 

監 事   車 田  次 夫   

      (福島県土地改良事業団体連合会 会長)

 

会 員   野 上  憲 幸

      (青森県土地改良事業団体連合会 会長)

 

 会 員   及 川  正 和

       (岩手県土地改良事業団体連合会 会長)

 

 

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