岩手県議会農業農村整備推進議員クラブ(髙橋元 副会長、会員数47名全議員加入)は、8月21日(月)に現地研修会を開催しました。研修会には、会員15名が参加し、一戸町奥中山地区の「県営畑地帯総合整備事業奥中山地区」の実施状況や大志田ダムの小水力発電施設、㈱一戸夢ファームにおける新規就農希望者の研修概要を視察するとともに、地元農業者や多面的機能支払交付金の活動組織代表者等と「農業を核とした地域活性化」について意見交換を行いました。

 研修に先立ち、髙橋副会長が「本日は3箇所の現地研修と、地元の頑張っている方々との意見交換会を予定しています。活発な意見交換をしていただき、今後の活動に活かしていただきますようお願い申し上げます。」と挨拶しました。

 続いて、事務局を務めている本会の及川正和会長が「国では、農地利用集積の向上や水田の畑地化・畑作物に軸足を置いた施策を進めております。これらの施策を計画的・安定的に実施するためには、当初での予算確保がたいへん重要であり、本会としても、4月以降、農林水産大臣をはじめ、二階幹事長、小泉農林部会長に予算確保について要請してきました。本日の研修会では、畑作物生産における農業農村整備の役割や必要性等についてご理解を深めていただくとともに、一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。」と挨拶しました。

 その後、一戸町までの移動時間を利用し、県農林水産部農村計画課 多田繁総括課長から、本県における農業農村整備事業の取組状況について、「ほ場整備地区における高収益農業の取組」や「東日本大震災津波被災農地等の復旧・復興状況」、「平成28年度の台風10号災害からの復旧の取組状況」、「土地改良法等の一部を改正する法律の概要」の説明がありました。

 最初の現地研修場所である県営畑地帯総合整備事業奥中山地区では、レタスやキャベツの畑が広がり、地区を広く見渡すことのできる高台から視察を行いました。県北広域振興局の千葉彰副局長から「奥中山地域は、高い標高を利用したレタス生産が盛んで、年間販売額10億円を誇る一大生産団地を形成している。本日は畑地かんがい用水の源である大志田ダム、新規就農希望者を支援している一戸夢ファームをご視察いただくほか、農業者との意見交換も予定しています。短時間で盛りだくさんの内容となりますが、よろしくお願い申し上げます。」と挨拶があり、二戸農林振興センター熊谷武治農村整備室長と二戸農業改良普及センター髙橋守普及課長から、事業の概要と営農状況についてそれぞれ説明がありました。

 次の現地研修地である大志田ダムでは、小水力発電施設を視察し、管理事務所内のダムコン(ダム管理用制御処理設備)の前で、施設の概要や発電量、管理方法などについて、馬淵川沿岸土地改良区の山下正勝理事長と澤久保博幸技師から説明を受けました。

 意見交換会では、稲葉暉一戸町長から、「日頃、畑地かんがい施設の整備や多面的機能支払交付金の活動支援等について、皆様のご指導に感謝申し上げます。奥中山の酪農は、農家が減る中で牛の頭数は増えており、大規模化が進んでいます。また、野菜の生産条件が良いことから畑を求める農家が多く、農地不足となっています。県内での農地の利用連携についてもご指導をお願いいたします。」と挨拶があり、担い手農家の山下達也さんと多面的機能支払交付金の活動組織の事務局長である川又秀一さんから、営農状況や活動の取組について、お話していただきました。

 山下さんは、「畑地かんがい用水が整備され、計画的に農作業ができるようになったため、家族4人で毎日17時30分に夕食を食べるという基本的な生活リズムが確保された。また、野菜へのかん水や防除作業に係る時間が劇的に短縮されたことから、経営面積の拡大や他品種の導入、通年での営農が可能となった。農業者の高齢化が課題だが、農業機械の買い替えへのサポート等があれば、世代交代は可能だと思う。」と話されました。

 川又さんは、「高齢化等によって水路の管理が継続できるか危惧していたが、多面的機能支払交付金を活用する保全会を立ち上げ、農業基盤の整備と地域活動が相まって地域に好循環が生み出された。その結果、Uターンを促進し、地域の子供が増えている。」と活動の成果を紹介しました。

 最後の視察地である株式会社一戸夢ファームでは、一戸町野﨑貞春産業部長と高橋寿一農業担い手育成指導部長から、新規就農希望者の研修概要について説明がありました。

 会員の方々は、気候を活かした特徴のある農業を展開している現地の状況を確認し、今後の課題等を認識して研修会を終えました。

  県営畑地帯総合整備事業奥中山地区で        県の担当者から説明を受ける会員

  大志田ダム管理事務所で馬淵川沿岸土地改良区 山下理事長から説明を受ける会員

意見交換会の様子

㈱一戸夢ファーム高橋部長の説明を受ける       髙橋元副会長(左)と会員

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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