2017.03.31 朝刊 31頁 社会1 (全687字) 

 大仙市の神宮寺松倉堰土地改良区(石山金悦理事長)に勤務していた50代の女性会計主任が、組合員から徴収した基盤整備などの賦課金約1643万円を着服していたことが30日、分かった。改良区は昨年12月14日付で懲戒解雇している。女性はこれまで約560万円を弁済。残りについても返す意思を示していることから、改良区は刑事告訴は見送る考え。

 改良区などによると、この女性は会計主任だった十数年前から、窓口で組合員から預かった賦課金の一部を着服し、使い込んでいたとみられる。

 昨年7月下旬から8月にかけて行われた県の立ち入り検査と改良区の会計監査で、複数の預金通帳残高の合計が出納簿の残高よりも足りないことが発覚。事務所管理費や人件費などの一般会計で約949万円、基盤整備事業の償還金などの特別会計で約693万円がそれぞれ不足していた。改良区の調査に対し、女性は「12、13年ほど前から生活費や遊興費に充てていた」などと話し、着服を認めたという。

 改良区の会計細則で会計主任は毎月末、出納簿と預金通帳の残高を照合し、会計担当理事が確認することになっているが、いずれも怠っていた。また、改良区の口座への振り込みには理事長の承認が必要だが、女性は無断で行っており、複数の通帳間で目的不明の振替があったという。

 改良区は年2回会計監査、県が3年に1回立ち入り検査を実施しているが、女性の不正行為を見抜けなかった。出納簿や通帳には手書きなどで改ざんした跡があったという。

 石山理事長は「改良区内の相互チェックが機能していなかった。窓口で現金をやりとりしないなど、再発防止に取り組む」と話した。

秋田魁新報社

 

着服:大仙市土地改良区の元職員が1643万円 返済意思示す /秋田

2017.04.01 地方版/秋田 23頁 (全477字) 

 大仙市の神宮寺松倉堰土地改良区(石山金悦理事長、組合員841人)で会計主任だった50代の女性が、組合員から徴収した賦課金約1643万円を着服していたことが3月31日、土地改良区などへの取材で分かった。女性が着服額の3割程度を弁済し、残りも返済の意思を示していることから、改良区は刑事告訴を見送る方針。

 改良区や県農地整備課によると、元会計主任は採用された1983年から1人で会計業務を担当しており、12年ほど前から着服していたという。組合員から預かった現金の一部を着服し、年2回の内部監査前までに新たに徴収した賦課金で埋め合わせしていた。出納簿などを手書きで改ざんした跡もあるという。「生活費や遊興費に使った」と認めており、昨年12月14日付で懲戒免職処分となった。

 昨年7月末に県が立ち入り検査をした際、複数の通帳の預金残高が出納簿の記入額よりも少なかったことから発覚。監督責任を怠ったとして、当時の理事長の男性も辞任している。土地改良区の菅原靖敬事務局長は取材に「組合員の信頼を失ってしまって申し訳ない。再発防止に努めたい」と陳謝した。【山本康介】

毎日新聞社

 

▼▼▼PDF版はこちらから▼▼▼

https://www.iwatochi.com/main/06/osirase/osirase598.pdf