本会では、6月5日、県の紺野由夫農林水産部長をはじめ、佐藤隆浩農林水産部副部長、多田繁農村計画課総括課長、千葉匡農村建設課総括課長に対し、「農業農村整備の着実な推進に関する要請」を行いました。 (下記の要請書参照)

 要請に対し、紺野部長からは、「まずは、東日本大震災及び台風10号災害からの復旧復興に当たり、土地連のご支援に改めて感謝申し上げる。次世代に生き残るための農業を築くためには、しっかりとほ場整備を行い、基盤を整備する必要がある。要請内容については、特にも、整備を進めるための予算の確保が重要だと考えている。これまで及川会長を始め土地連には、頻繁に要望活動をしていただき感謝申し上げる。県でも、国会議員や農林水産省に対して岩手県のほ場整備の実態を申し上げ、予算の重点的な配分をお願いしてきたところである。その結果、29年度予算は、要望に見合った配分を得たと考えており、平成28年度補正予算についても、近年にない予算の配分があった。来年度予算については、国への要請はもちろんのこと、県予算についても、シーリングに負けず今年度並みの予算を確保できるよう、財政当局に要望し、知事や副知事にもお願いしていきたい。」とのコメントをいただきました。

【紺野部長(左から2人目)と佐藤副部長(左)に要請書を手渡す及川会長(左から3人目)と髙橋副会長(右から2人目)、平賀副会長(右)】

 

農業農村整備の着実な推進に関する要請

 岩手県におかれましては、農業農村整備の役割にご理解をいただくとともに、その推進に、更には東日本大震災及び昨年発生した台風第10号による豪雨被害からの復旧・復興に御尽力いただき、心から感謝申し上げます。

 また、農業農村整備関連予算について、国の平成28年度補正予算を含む、平成29年度予算を踏まえた県予算の措置していただき、重ねて御礼申し上げます。

 

 さて、国は、昨年11月に、農業者が自由に経営展開できる環境を整備するとともに、農業者の努力では解決できない構造的な問題を解決するため、「農業競争力強化プログラム」を策定し、農地利用集積の向上や水田の畑地化・畑作物に軸足を置いた汎用化等に向けた土地改良制度の見直しなど、農業・農村を取り巻く情勢の変化に対応した施策を進めております。

 

 こうした目標達成に向けて、農地利用集積の向上や水田のフル活用、多面的機能の維持・発揮を進めていくためには、土地改良区がこれまで培ってきた経験と知識が不可欠であり、我々は組織の力を傾注して取り組むこととしております。

 

 しかし、収益性の高い農業展開の前提となる本県の農地の整備は、東北各県に比べ遅れており、農地利用集積の目標達成や政策目標として掲げられた生産コストの低減を図り、農業者の生産意欲を保持するためには、老朽化が進む農業水利施設とともに整備を更に進める必要があります。

 

 これに対し、本県においては、地域からの整備の要望が増え続けている状況であり、農業者が豊かで競争力ある農業の実現に向けた産地収益力の向上に取り組めるよう、計画的・安定的に事業を推進するためには、当初での確実な予算確保が求められております。

 ついては、本県の農業・農村を巡る情勢を踏まえ、下記について国へ強く要請するとともに、県においては予算の確保や支援体制の充実をお願いいたします。

 

1 過去に土地改良予算の大幅削減とともに創設された米の直接支払交付金は、今年度をもって廃止となる。今後、農業を足腰の強い産業とし、農業者の所得向上を実現するためには、農業農村整備の計画的・安定的な実施が不可欠であることから、平成30年度当初予算においては、現場のニーズに十分に応えられる規模の農業農村整備予算を確保するよう国に要請すること。

 

2 農業競争力の強化のため、水田の大区画化・汎用化を進めるとともに、老朽化したダムやため池等の防災対策、農業水利施設の長寿命化対策等を進める農業農村整備予算について、平成29年度追加予算を確保するよう国に要請すること。

 

3 農業者の減少・高齢化が進む中で、農家は、担い手の確保・育成やコメの生産コストの低減に向けた話し合いを重ねてほ場整備の実施を選択している。このことから、県は、農家の事業導入の意欲を削ぐことのないよう、引き続きほ場整備事業に係る調査計画予算を十分に確保すること。

 

4 改正土地改良法の積極的活用を通じた事業推進を図るため、現場適応性の高い柔軟な制度設計とするよう国に要請するとともに、県は、地域で混乱が生じないよう、制度の周知を十分に行うこと。

 

 

                平成29年6月5日 

                 岩手県土地改良事業団体連合会

                  会 長  及 川  正 和

 

 

 

 

▼▼▼PDF版はこちらから▼▼▼

https://www.iwatochi.com/main/06/osirase/osirase613.pdf