本会は7月12日、山本農林水産大臣を始めとする農林水産省幹部に対し、国の平成30年度予算概算要求に向けた要請活動を県と合同で行いました。

 県の紺野由夫 農林水産部長と多田繁 農村計画課総括課長、本会の及川正和 会長、髙橋隆 副会長、平賀巖 副会長が、山本有二 農林水産大臣、農村振興局 室本隆司 次長、奥田透 整備部長に面会し、「農業競争力強化のための地域の要望に十分応えられる平成30年度当初予算の確保」に加え、「更なる農業水利施設等の適時適切な管理と多面的機能の維持増進を図るための農業水利施設等の管理体制の整備・強化への支援」(下記要請書)について要請しました。

 山本大臣からは、「平成28年度の補正予算と平成29年度の当初予算を合わせて、大幅削減前の水準まで戻すことが出来た。今後はまた更に増額していかなければならないと考えている。農業水利施設の管理体制の整備・強化については、特に国営造成施設管理体制整備促進事業についての予算確保と次期対策の事業内容を検討していきたいと思っている。地元の要望にしっかりと対応できるよう工夫をこらしていきたいことから、県からの応援についても紺野部長にお願いしたい。」とのコメントを頂きました。

 また、室本次長からは、「予算の確保に向けては、高収益作物への転換などの実現が前提となると考えている。そのためには、具体的な営農計画を策定することが大切だと考えている。一緒になって頑張っていきましょう。」とのお話をいただきました。

 奥田部長からは、「予算が戻ったが、補正予算に頼っている状況。ほ場整備の要望地区をお待たせしないよう、安定的な予算確保に向けてしっかりと頑張っていく。」とのコメントをいただきました。

【山本農林水産大臣(右から3人目)に要請書を手渡す岩手県紺野農林水産部長(右から2人目)と本会及川会長(左から3人目)、髙橋副会長(左から2人目)、平賀副会長(左)、田山専務理事(右)】

【室本次長(中央)に要望書を手渡す紺野農林水産部長(左)と及川会長(右)】

【奥田部長への要請の様子】

 

 

農業農村整備の着実な推進に関する要請

 

 岩手県の農業・農村整備の推進、また東日本大震災からの復興、台風第10号による豪雨被害からの復旧に対して、平素から格別の御高配を賜り心から御礼申し上げます。

 また、本県をはじめとする生産現場からの切実な要望を踏まえ、平成28年度補正予算と平成29年度当初予算を合わせて5,772億円の農業農村整備関係予算を確保していただき、重ねて御礼申し上げます。

 

 さて、本県では、農業従事者の高齢化や減少等により、農地、農業用施設の管理や営農の継続が困難になってきており、今後更に進んでいくことが想定されます。

 

 農業を足腰の強い産業とし、農業者の所得向上を実現するためには、農地の集積、大区画化、汎用化等の農地整備や、将来を見越した適時適切な農業水利施設等の維持・更新が必要となっています。加えて、ため池を含む農業水利施設等の老朽化が進む中、大規模地震の発生や、気候変動による豪雨災害が多発しており、国民の生命と財産を守るためにも、ため池等の耐震化や洪水被害防止対策などの農村地域の防災・減災対策の推進が重要な課題となっています。

 

 こうした状況のもと、農地利用集積の向上や水田のフル活用、多面的機能の維持・発揮を進めていくためには、改正土地改良法の趣旨を踏まえながら、地域の特性に合った、高い農業生産力を十分に発揮できる条件を整えることが必要不可欠です。

 

 つきましては、本県の農業・農村を巡る情勢を踏まえ、平成30年度当初予算の確保等について、次のとおり強く要請いたします。

 

 

1 農業競争力の強化のため、農地の大区画化や水田の畑地化・汎用化、改正土地改良法の趣旨を踏まえた新たな事業制度による農用地集積の加速化、水利施設の更新・長寿命化など、地域の要望に十分応えられる農業農村整備予算を、平成30年度当初予算で確保すること。

 

2 農業従事者の高齢化や人口減少のみならず、近年の台風や豪雨等の自然災害の発生増加により、今後更なる農業水利施設等の適時適切な管理と多面的機能の維持増進を図る必要があることから、農業水利施設等の管理体制の整備・強化への支援を行うこと。

 

 

               平成29年7月12日

                 岩手県土地改良事業団体連合会

                  会 長  及 川  正 和

 

 

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